• 成人式に振袖を着用する理由とは?厄払いの意味もある?

  • 公開日:2023/02/01  最終更新日:2023/02/24

振袖は成人式で着るイメージが強く、振袖を着た優美な姿は女性の憧れでもあります。しかし、なぜ振袖を着るのか、理由を知っている方は少ないのではないでしょうか。この記事では、振袖の歴史やなぜ成人式で着るようになったのかを解説します。さらに、着物の色や柄に込められた意味も紹介するので、ぜひ振袖選びの参考にしてください。

振袖の歴史

江戸時代からの長い歴史を持つのが振袖です。当時は、今の振袖より短い袖の着物でした。現在、大振袖と呼ばれる袖が一番長いタイプは、袖の長さは約114センチです。一方、1600年ころは短いものでは約55センチしかなかったようです。

袖が長くなった理由は、踊り子が舞台で踊ったときに袖が長いほうが美しく見えたからといわれています。舞台で袖を振るしぐさは、求婚されたときの返事にも使われ、未婚の女性の間で流行っていたそうです。

現在の成人式の形ができあがったのは戦後になります。戦後の復興の時期に、若者に希望を持ってもらうためのお祭りが始まりです。その後、お祭りの影響を受けた日本政府が成人の日を祝日とし、ハレの日の装いとして振袖が着られるようになりました。

今日の恋愛のシーンにおいても“ふられた”“ふった”といいます。振袖の袖を振るしぐさが由来ではないか、といわれています。

成人式に振袖を着用する理由

振袖は、成人式の晴れ着としてのイメージがありますが、なぜ成人式で振袖を着るようになったかには諸説あります。

未婚の女性の正装とされた

“振袖は未婚女性の正装として扱われてきたから”という説です。日本では、大人の仲間入りをお祝いするときに、正装で身を整える風習があります。成人式もそんな風習のひとつであり、振袖が着られるようになりました。

厄払いの意味もある

2つめは“厄払いの意味があるから”という説です。日本では古くから振る動作が、お清めや厄を払う意味を持ちます。振袖のたもとを振ることで、厄を払い幸せな未来が訪れることを願ったといわれています。

大人になったことの自覚のため

冠婚葬祭の“冠”に当たる成人式は、日本における四大儀式のひとつであり人生の転換期ともいえるでしょう。振袖を着ることで、大人の仲間入りを自覚するきっかけになると考えられます。

振袖の色に込められた意味

色とりどりで華やかな振袖ですが、色によってイメージや意味が変わります。色ごとの意味を知っておくと、より自分に合った振袖を選びやすくなるでしょう。振袖の代表的な色と、色の持つ意味をご紹介します。

定番色の赤

太陽や炎をイメージさせるのが赤です。厄除けや魔除けの意味があり、昔は病気の子どもに赤い寝巻を着せて回復を祈ったといわれています。縁起がよい色とされ、おめでたい席で多く使用されています。

癒しの緑

草木や森など、豊かな自然をイメージするのが緑です。穏やかな癒しの意味を持ち、平和や調和の色ともいわれています。草木の色であることから“成長”の意味もあり、一人前の大人に成長していく女性を表現する色です。

空や海の青

澄んだ空や穏やかな海をイメージできるのが青です。どちらも広大で揺らぐことのない、どっしりとした安定感を覚えます。そのことから、親しみがありつつ冷静な大人っぽさを表してくれるでしょう。

純粋無垢な白

一点の曇りもない、清らかさの象徴とされるのが白です。ウェディングドレスや赤ちゃんの産着にも用いられています。生命の誕生や新たな門出を表現し、大人の女性として新たなステージを迎えるタイミングにピッタリです。

高貴な紫

聖徳太子が定めた冠位十二階で、もっとも上位の色とされたのが紫です。古くは、紫の染料が希少で高価だったため、世界的にも富や王家の象徴でした。カシスやぶどうなど熟した果実のイメージも持ち合わせ、大人の女性としての深みを感じさせてくれます。

振袖の柄に込められた意味

色に意味があるように、振袖の柄にも意味が込められています。柄の意味を知っていると、さらに振袖選びが楽しくなりますよ。代表的な振袖の柄と、柄の持つ意味をご紹介します。

長寿の象徴、鶴・亀

鶴は万年、亀は千年という言葉があるように、どちらも長寿を象徴する生き物です。鶴は、つがいになると一生をともにする、仲睦まじい習性があります。そのため縁起のよい象徴とされ、祝いの場でよく目にする柄です。

日本の国花:菊

菊は位が高く国花にもなっており、日本人になじみ深い花です。無病息災や長寿の意味をもつ縁起のよい柄になります。仏花としてのイメージが強いですが、お正月の門松でもよく目にするなど、神聖な花とされています。

華やかな牡丹

幾重にも重なって開く花びらが、ふっくらとした華やかさを感じさせるのが牡丹です。幸福や豪華、優美などを意味します。小さなつぼみから、華やかな大ぶりの花が咲く様子は、成人式を迎え立派に成長することを予感させるのに、ふさわしい柄といえるでしょう。

貴族の牛車:御所車

平安時代に貴族の乗り物とされていた御所車は、富と優美さを表す気品ある柄です。荷台にたくさんの花を乗せたものを花車と呼び、幸福の象徴でもあります。大人の女性として、幸せあふれる未来をイメージする柄になります。

月の使い:うさぎ

月にうさぎがいるという伝説から“ツキ”を呼ぶ縁起がよい柄とされるのがうさぎです。ぴょんぴょんと前へ飛び跳ねて進むので、とんとん拍子でものごとが滞りなく進んでいく意味が込められています。叶えたい目標がある人にぴったりではないでしょうか。

まとめ

振袖の歴史と振袖の色や柄に込められた意味を紹介しました。ただ華やかなだけではなく、歴史は江戸時代から長く続きます。また、振袖の色や柄にもそれぞれ意味が込められています。

振袖の歴史や成人式で着る意味、色や柄に込められた意味を知ることで、振袖選ぶがより楽しくなるかもしれません。一生に一度の成人式に、自分にぴったりの振袖を見つけて、よい思い出にしてください。

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